八王子で酒づくりを行う理由PROJECT

プロジェクトストーリー

かつて、八王子で行われていた酒造り。かつて、八王子で行われていた酒造り。

その昔、八王子では豊富な地下水を利用した造り酒屋が市内に20軒ほどありました。「日出山(ひのでやま)」、「高尾山」、「社会冠(しゃかいかん)」、「月丸」、「桑乃都(くわのみやこ)」、「八王子 千人同心」など、さまざまな銘酒がこの地で造られ、江戸時代後期から近年まで、酒蔵が競い合うように日本酒を造っていたのです。しかし、衛生基準の厳格化や「日本酒離れ」などの影響により、市内の酒蔵は2000年代になって次々と消えていきました。2012年には最後の酒蔵が醸造を終了し、ついに八王子市内から酒蔵醸造が消えてしまったのです。

酒造りの灯を絶やさない。「はちぷろ」発足。酒造りの灯を絶やさない。「はちぷろ」発足。

途絶えてしまった八王子の酒づくり。ですが、「純八王子産の酒づくりの灯を絶やさない」、そんな想いを持つ人々がいたのです。2014年、「八王子の米で、八王子の酒蔵で」という理念をもとに八王子酒造りプロジェクト『はちぷろ』が発足しました。とはいえ、現時点では市内での酒蔵醸造は行われていません。そこで長野県諏訪市にある伝統の「諏訪五蔵」の一つ、「舞姫」を買い取り、まずは八王子産の米を使った酒づくりが始まったのです。100年を超える歴史ある酒蔵が加わったことで、「上質な日本酒」を造り出すことが可能となり、「髙尾の天狗」という銘柄が誕生したのです。

八王子ならではの酒米を。八王子ならではの酒米を。

髙尾の天狗のもととなる酒米を作るのは、八王子の米所、高月町の農家。それまで酒米を作っていなかった農家の方々は、当初は酒米への切り替えに難色を示していたものの、プロジェクトの根底にある酒づくりへの想いが次第に伝わり、今では10軒以上の農家が酒米の生産に取り組んでいます。生産を開始して5年が経ったころには、八王子の気候風土に合うと確信を持てる酒米にたどり着きました。プロジェクトメンバーだけでなく、地域住民も関わる酒米づくり。このプロジェクトがもたらす繋がりが、髙尾の天狗にさらなる深みを与えています。

酒造りで、まちおこしに寄与する。酒造りで、まちおこしに寄与する。

今、このプロジェクトは本当の意味での「八王子の酒、髙尾の天狗」を目指して、「八王子の新しい酒蔵」を高月町に作るべく活動しています。それはただの酒蔵ではなく、あらゆる「農」の発信拠点となる「農のテーマパーク」です。酒をつくることが八王子の文化を再生し、地産地消を促し、さらに新しいムーブメントに繋がる。髙尾の天狗を介したまちおこしをしたい、その想いの実現に向けて、さまざまな人たちとこのブランドを育てていきたい。そして、八王子に活気をもたらしたい。それが、このプロジェクトの目指す未来です。

地元産のお米で出来た日本酒を
味わえるまちに。
地酒づくりでまちを活性化したい!

日本酒づくりをきっかけにした八王子の6次産業化を推進することにより、八王子の地産地消地活の解決の糸口となり、「髙尾の天狗」の販売促進により、様々な産業に好循環をもたらしたいと考えます。加えて、まだまだ知られていない八王子産の「お米」、「農業」、そして「造り手の見える化」、「新たな生産者」の創出に取り組んでいきます。また、「八王子酒造りプロジェクト」の活動を通して、今まで交わることのなかった、作る人(農家、酒蔵)、販売する人(飲食店、小売店)、消費する人(市民)の接点を作り、交流の場も提供します。将来的には、「八王子のまちと人」、「酒をつくる諏訪のまちと人」を繋ぐ役割も担い、それぞれの地域の田んぼや酒蔵の素晴らしい景観を日本全国の方々に知っていただき、後世にも伝えていきます。

地域の課題に
連携して立ち向かう拠点づくり
八王子に
『農のテーマパーク』を!

プロジェクトは八王子の新たな“観光拠点”をも見据えています。美しい田園風景を誇る高月地区の一角に開設を予定している酒蔵を中心に、農家レストランや農産物の直売所を併設する『農のテーマパーク』を計画しています。高齢化や人口減少など、地域の抱える課題と向き合い、農とコミュニテイを次世代へと繋いでいく沿道集落の新しいまちづくりとして、農家・市民・地元企業・多摩地域の大学・行政との連携で賑わいを創出したいと考えています。

高月地区構想イメージ図

2020年に発足7年目を迎えたはちぷろ。これまで以上に、日本酒づくりを通じて地域振興活性化の役割を担い、米をつくる八王子(高月町)の「まち・ヒト」と酒をつくる諏訪の「まち・ヒト」を繋いでいきます。はちぷろの歩みは、ここからさらにスピードアップしていきます。ご期待ください。

八王子の米

「八王子酒造りプロジェクト」の活動は、お米を作ってくれる八王子の契約農家さんがあっての話です。 農家さんにもご協力いただき、酒米の作付けを増やし、将来、「ワインのように、各地域で栽培されたブドウを使用し、地域ならではの気候や土壌を反映した香りや味わいを楽しむ」ように八王子に酒米文化を根付かせたい。その先で日本酒「髙尾の天狗」も八王子の地に根付いた地域固有の「オリジナルの酒米」を開発することで、味わいは勿論、地域の環境にもあった品種の生産こそが地域振興にも繋がると考えます。

そして、今後も消費者や飲食店、小売店など携わって頂いている方の意見も聴き、試行錯誤しながら味を深めていき、「八王子の人に愛される味」とは何かを契約農家さんと共に追求し、実現する。志を抱いて生産に取り組んでいただいています。いずれは都内全域への展開を足がかりに、日本全国、さらには海外進出も見据え、「八王子の味」としてPRできればと考えています。

産学連携

新事業の創出を図ることを目的とし、さらには地域活性の一環として、産学連携によるプロジェクトを行っています

  • 実践女子大学×HACHIOJI PROJECT わさび漬けパッケージデザイン

    髙尾の天狗の酒粕を使ったわさび漬けパッケージデザイン

  • 創価大学×HACHIOJI PROJECT チョコブラウニー商品開発

    髙尾の天狗の酒米米粉を使ったチョコブラウニー商品開発

  • 拓殖大学×HACHIOJI PROJECT インバウンド向け ギフトセットパッケージデザイン

    インバウンド向け
    ギフトセットパッケージデザイン

蔵人 舞姫

八王子にお酒文化をより根付かせるために、酒蔵と直結した酒場を展開しています。少子高齢化、若者の酒離れが叫ばれる中、国酒である日本酒消費量も国内は減少を続けています。「蔵人 舞姫」では、従来蔵元に足を運ばなければ味わえなかった鮮度の高い日本酒を提供することで、食中酒としての日本酒の価値向上に努めます。

蔵人 舞姫

住所:八王子市中町10-12 香川ビル 1階
電話番号:042-649-7942

メディア掲載

これまでの活動